あなたはEAを使う時、どのようなポイントを見て、良いEAかどうか判断をしているだろうか?「成績が良いもの」と一言で言っても、勝率や、リスクリワードのバランス、どのくらいの期間機能しているものか?など、チェックするポイントはたくさんある。
ここでは、良いEAを見分けるために最低限チェックしなければいけないポイントをまとめている。我々の視点から見たチェックポイントも含んでいるが、初心者にとっては選ぶのが難しいEAも、ここに書かれている7つのポイントを確認することで、正しく見分けることが出来るようになる。もし、すでに何かしらのEAを使っていたる人も、今一度ここにあるチェックポイントに目を通して、確認してみてほしい。
EAにはバックテストデータが付いているが、そのデータの中でどのくらいの期間プラスが出ているかどうかを、まずは確認してほしい。長期間とはどのくらいの期間を指すのかと言うと、1つの基準となるのが“1年”。1年間トータルでプラスかどうかを確認する必要がある。
なぜ1年間を、“1つの基準”という言い方にしたのかというと、EAのタイプによって変わってくるからだ。例えば、スキャルタイプのEAなら1年と言わず、月ベースで見て、プラスで終わっているものがベストであり、スイングなどスパンの長いタイプのEAなら、月ベースでプラスになっていなくても、年ベースで見た時には良い結果を出すEAもある。この事からもわかるように、テスト期間があまりにも短いものや、トレード回数が極端に少ないものに関しては、データが充分とは言えないので注意が必要だ。
では、1年間トータルでプラスが出ていなかった場合、使えないEAなのかというと、そうとは言い切れない。入会説明ページでも説明したが、カーブフィッティングしたバックテストでプラスが出ていない場合は論外だが、そうじゃない場合、パラメーターをいじれば結果が変わる可能性は充分ある。
パラメーターの設定値を変える方法は簡単だが、どう変えれば良いか関してしては知識が必要なため、とりあえずは提供されている設定値で、1年間トータルしてプラスが出ているかどうかで判断する。
しつこいようだが、カーブフィッティングしているバックテストで、プラスが出ているのは当たり前。カーブフィッティングしているデータは参考にならないと思った方が良い。
考え方は人それぞれだが、理想を言えば10%以下、一般的には20%〜30%までに抑える必要があるとされている。理由は、仮に口座に100万円入っていたとして、ドローダウン50%の場合、資金は50万円となり、元の100万円に戻すのに100%の収益をあげなければならない。どれだけ儲かるEAでも、50%のドローダウンに耐えられる人はそうはいないだろう。
最大ドローダウンはこれから更新されていくものだ。実際はバックテスト以上にドローダウンが広がることは頻繁にある。EAを使う場合にも、リスク管理は余裕を持って行うことが必要だ。
インターネットで買い物をする時、欲しいと思った商品をすでに購入した人のレビューをチェックしてから購入する人も少なくないと思うが、EAに関しても利用者のレビューや評価があれば参考にすべきである。
EA自体の評価だけでなく、EA提供者の評価に関しても同じことが言える。システム自体は機械でも、その機会的なシステムにはEA提供者や制作会社の人柄や、考え方、会社の方針などが反映されるものだ。EA自体をただの売り物としか見ていないか、トレードが好き、EAが好きで製作しているかによって、提供後のフォローの質も変わってくる。売ったら売りっぱなし、あとは関係ないという対応をとる者とは、良い付き合いはできないと我々は考えている。
ご存知の通り、デモ口座の場合スプレッドの変動がなかったり、約定力がリアル口座よりも良かったり、実用する際とは異なる点が多い。いくらデモ口座で良い成績が出ていたとしても、リアルで通用するものとは言い切れない。その為、バックテストデータもできればリアル口座での運用がベストだと言える。
含み損とは、まだ決済を確定させていない状態での損失のことを指す。決済したポジションのみでテストデータを提示していて、実は含み損を抱えているというパターンもある。どれだけ目に見える成績が優秀でも、ウラでは含み損がいっぱい・・・では意味がない。表面の確定利益だけではなく、含み損もチェックすることをお忘れなく。
通常、勝率51%以上、リスクリワードの割合が1:1以上なら、プラスになると言えるが、勝率に関して言うと当然高い方が良いのだが、例えば勝率が90%あったとしても利益確定は10pipsなのに損切りは100pipsというルールだとすれば、トータルがマイナスになってしまう。つまり、ただ勝率が高ければ良いというものではないということだ。
次にリスクリワードについて。当然リスクリワードも高いに越したことはない。1:1よりも1:5の方がいい。だがこれも、リスクリワードのみを見ている場合の話。これで勝率が10%もなかったら当然トータルでマイナスになってしまう。以上のことから、勝率とリスクリワード、この2つのバランスを見る事が重要なのだ。
プロフィットファクター(以下PF)とは、総利益÷総損益で計算する事ができ、数値が1.0より大きければ収支はプラス、1.0未満ならマイナスということになる。PFは良いEAかどうかを判断するために重要な数値なのだ。もちろん、1.0より1.2の方が、1.2より1.5の方が良いのだが、単月で見て悪い!と決めつけるのではなく、一定期間のデータをチェックして判断することが重要だ。
以上、これらが良いEAを見分けるためのチェックポイントとなる。
1つ1つを確認し、総合的に見る事は難しいと感じるかもしれないが、単純に「勝率だけ!」「PFだけ!」で見ていると、いつまでたっても良いEAには出会えず、常にストレスを抱えて裁量トレーダーでい続けることになる。
裁量トレードを否定する気はもちろんないが、長く、上手く、ストレスなく、トレードと付き合って行くためには、「優良なEA」を活用することは重要であるという我々の考えに共感する人は、この記事を参考に、EAを見る目を鍛えよう。
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